5分で読む『FACTFULNESS』|世界を正しく観よう!

5分で読む
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本書は、ハンス・ロスリングという公衆衛生を専門とする医者によって書かれました。彼は著名なTEDスピーカーだったそうなのですが、本書が話題になるまで私は知りませんでした。

本書が話題になったのは、ご存知マイクロソフト創業者のビルゲイツ氏が、2018年にアメリカの大学卒業生の希望者全員にこの本をプレゼントしたからです。それほどの本なのです。

参照記事:ビル・ゲイツが大学卒業生に贈る「ファクトフルネス」の重要性ーForbes Japan 2018.6.8

これがニュースになった当時、翻訳版はまだ出版されておりませんでした。ビルゲイツ氏推薦ということもあってとても気になった私は、すぐに原著を購入しましたが、読みきれず、程なくして出版された翻訳版を読みました。いい思い出です。原著は今でも私の本棚の肥やしになっています。

FACTFULNESS 原著 翻訳版

原著の表紙には、このように印刷されています。

One of the most important books I’ve ever read – an indispensable guide to thinking clearly about the world.  Bill Gates

「私が読んだ本の中で最も重要なものの一つだ。世界を正しく考えるために不可欠なガイドだ。」 ビル・ゲイツ

ファクトを基に世界を正しく見よ

それがこの本のコンセプトです。

人は世界を見誤っています。それは、無知のせいです。

ファクトを見ずにイメージだけで物事を判断してしまっているからです。

  • 人は本能的に間違ったものの見方をしてしまいがちだ、ということを認識する
  • 世界は確実に良くなっている
  • 「悪い」と「良くなっている」は両立する

個人的には、これから世界に出ていこうと思っている若い方々におすすめしたい。

本書では10個の本能的な思い込みを挙げ、それぞれについて重要な教訓について書かれています。

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チンパンジークイズ

ドキドキ…

ん?

ドキドキ2択クイ~~~~~~ズ!!

急なHUNTER X HUNTERネタやめろ。しかも3択だろ。いよいよふざけだしたな!!!

本書のはじめには、世界の状況に関する問いが13個出題されています。

それぞれに選択肢が3つあるのですが、様々な国、様々な人を対象に講演を行なってきた著者は、そういった講演などでこの問いを投げかけ、正答率を集計したそうです。

しかし、所謂エリート層でも、正答率は3割を切る結果となったそうです。ランダムに選んでも(チンパンジーが適当に選んでも)3割3分は正答するはずの3択問題なのに、です。

3問だけ抜粋して引用してみます。

[1] 現在、低所得国にクラス女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?

A) 20%

B) 40%

C) 60%

[2] 15歳未満の子供は、現在世界に約20億人います。国連の予測によると、2100年に子供の数は約何人になるでしょう?

A) 40億人

B) 30億人

C) 20億人

[3] いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?

A) 20%

B) 50%

C) 80%

いかがだったでしょうか。本記事の一番下に答えを載せておきますので確認してみてください。

WEBサイトで全テストが受けられますのでぜひ試してみてください。

チンパンジーテスト

国の方針を決めるはずの官僚、会社の計画を立てるはずのエリートビジネスマン、投資戦略を決める投資家のほとんどが、世界を間違って認識していることがわかったそうです。

正しい認識をせずに正しい戦略が立てられるのでしょうか?

著者は何故こういうことが起こってしまっているのか、長い年月を費やして追いかけました。そして、本書で紹介されている10個の本能的な思い込みによって、人々の目が曇ってしまっていることを発見したのです。

10の思い込み

本書は、10の思い込みについて10の章でそれぞれ著者の実体験とともに説明され、それに対する事実をグラフや数字でわかりやすく解説しています。

FACTFULNESS もくじ

この10の思い込みを、私なりに整理してみました。

10の思い込みの整理

それではそれぞれについて見ていきましょう。

分断本能

私たちは、途上国(新興国)vs先進国、金持ちvs貧乏と言った二項対立型で物事を見てしまいがちです。

では、それらの境界線は一体どこにあるのでしょうか。実は大抵の場合、上の例のような分断はなく、ほとんどの人間がその中間に属しています。

そこで著者は、各国の経済的豊かさのレベルを4つのレベルに分類し、それぞれがどのような生活をしているのか、解説してくれています。

4つのレベル

そう分断なんかないのです。私たちのいるレベル4の国が経験してきた所得レベルを各国が急速に駆け上ってきている最中なのです。

恐怖本能

暴力(戦争、テロ)、毒(化学物質、放射能)、拘束など、人々が恐怖に感じることはたくさんあります。それ自体は身を守るためにある感情なのですが、過度な恐怖は間違った判断を導きがちです。

言葉に恐怖を覚えるより、統計的・科学的データを根拠に正しい判断ができるようになりたいものです。

チェルノブイリの事故や東日本大震災のあとに、放射能で亡くなった方は報告されていませんし、農薬DDTも直接誰かの命を奪ったことはなく、「人体にとって、やや有害」と結論付けられ、「デメリットよりメリットのほうが大きい」と判断されています。

このように、言葉だけで拾って「危ない!」などと判断してしまう習性が人間にあるということは頭に入れておくべきだと思います。

ネガティブ本能

小さな良い進歩より、悪いニュースのほうが人の頭に残ります。さらに思い出は美化されてしまうのです。そのために、人々は世界はどんどん悪くなっていると考えてしまいがちです。

果たしてそうでしょうか?

世界各国の平均寿命と平均所得は間違いなく良くなっています。そしてこれら二つが良くなるということは、人々の暮らしも良くなっているのです。

さらに本書では、「減っている16の悪いこと」と「増えている16の良いこと」のチャートが挙げられています。

著者が立ち上げたギャップマインダー財団のWEBサイト https://www.gapminder.org/tools/では、様々な統計がビジュアル的に確認できます。ぜひご覧ください。なにより見ていて楽しいですよ。

過大視本能

一つの数字だけをみて、「大きな数字だ」とか「小さな数字だ」と勘違いしてしまうことはよくありますね。

大切なのは比較と割合を効果的に使って、相対的に評価できる目を持つことです。

焦り本能

じゃあいつやるの?いまでしょ!と、某予備校講師ばりに「考えるよりまず行動!」となにか良くないことに接すると焦ってしまうことがよくあります。広告などもこの手法を使っていますね。

購買意欲が湧いた時点で買ってもらうのが一番確率が高いですからね。

でも焦りは禁物です。

まずは、深呼吸してデータを良く見ましょう。そして自分がしようと思っていた行動が本当に合っているのか、副次的にどんなことが引き起こされるのかよく考えましょう。

著者は、ドラマチックな対策よりも、たいていは地道な一歩に効果がある、といいます。過激な対策には注意が必要です。

パターン化本能

続いてはパターン化本能です。複雑な世の中を理解できる次元にまで落とそうとすると、この「パターン化本能」が顔を出します。ひとつの例に関連付けて新しいことを学ぶと結構理解が進むことってありますよね。飲み込みの速い頭がいい人はこれが得意なイメージがあります。でも、そのひとつの例を適用して本当に良いのか?よく考える必要があります。

 

たとえば、ギャップマインダーのドルストリート。世界各国の所得別の生活のリアルが写真で確認できます。

ドルストリート

これを見てわかるのは、人々の生活に大きな影響を与えているのは、文化でも宗教でもなく、収入だと言うことです。

十分な収入があれば皆ベッドで寝ます。水洗トイレを使います。これは文化ではなく、収入なのです。

アフリカの人の暮らしと一口に言っても、アフリカには収入レベルでいえばレベル1からレベル4までの国があります。

あなたの頭の中にある「アフリカの人の暮らし」というパターンは幻想なのです。

 

直線本能

右肩上がりのグラフを見ると、ついその後もひたすら右肩上がりに伸び続けると思ってしまいませんか?

ご存知の通り、グラフには様々な形があります。

いろいろなグラフ

世界人口に関しては、S字型になると予測されています。2100年頃に110~120億人程度に達しそこで安定すると予測されているのです。

宿命本能

宿命本能もパターン化本能、直線本能と関連付けていいと思います。

あちらの国はこれまでずっと貧しかったんだから、今後もずっと貧しい運命なんだ。とはっきりとは思わなくても、私たちレベル4には到底追いつけないだろうとどこかで思っていませんか?

どんな文化もどんな国もゆっくり進歩して変化しています。そして確実に良くなっていのです。

凝り固まった見方ばかりせずに、小さな進歩を追いかけ、知識をアップデートしていきましょう。

単純化本能

シンプルに物を見ると理解できた気になって楽しいですよね。でも世の中はそう単純ではありません。シンプルな説明には気をつけましょう。

犯人探し本能

誰か犯人らしき人を見つけただけでは問題は解決しません。そして犯人らしき人を見つけるとそれで安心してしまい、本当の根本原因に目が行かなくなってしまいます。恐ろしいですね。犯人ではなく、原因を探しましょう。そして、物事がうまく行った場合には、ヒーローを称えるのではなく、社会のシステムを支えている人たちがいることを忘れないことが大切です。

新型コロナのニュースとかSNSでの論議をみるとこの事がよく分かるね。

たしかに、誰々が悪いとか、色々言ってるけど、他国と比べると日本の被害者(死亡者)は奇跡かと思われるくらい少なく抑えられているよね。医療従事者や節度ある行動をしてくれた大多数の国民に感謝しなきゃいけないね。

こういうときこそFACTFULNESSの考え方を実践していきたいね。

なぜ思い込みが生じるのか

こういった思い込みをしてしまう背景には、狩猟民族だった私たちの本能と悪い出来事を大々的に報道するメディアの作用があります。

狩猟民族だった頃の私たちにとって、危機が迫った時、考えることよりも、感じ、即行動することが、命を存えるために必要な能力でした。

そのため、なにか悪いニュースに接した時に、それをドラマチックに捉えてしまいがちになる、ということなのです。

こういった性質がある、ということをきちんと認識し、数字を見、そしてその裏にある物語まで理解することによって、正しく物事を見ましょう、というのが本書の一番重要なメッセージでした。

ギャップマインダー

本書の著者が立ち上げたギャップマインダー財団のWEBサイトには、世界の国々の平均寿命、平均収入、人口、そしてそれらの経時変化の5つの要素をひとつのグラフに集約した動くバブルチャート

収入レベルを4つに分けた時に世界各国のそれぞれのレベルの人たちがどのような生活を送っているのかが想像できる写真集ドルストリートなど、

世界を事実に基づいて理解する助けになるコンテンツが無料で提供されています。

ただ見るだけでも楽しいコンテンツですので、ぜひご覧ください。


いかがだったでしょうか。

少々長くなりましたが、今後世界だけでなく身の回りの物事を正しく見るための指針が満載の本でした。

思い込みの性質を理解して、多くの方がファクトに基づいた正しいものの見方ができるようになることを願っています。

チンパンジークイズの答え

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