5分で読む『THE MODEL』|生産管理のように営業プロセスを管理する

ザ・モデル 5分で読む
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営業の仕事ってなんでしょう?

私が属する業界は、日本の伝統が色濃く残っている業界で、「営業部」の仕事は、見込み客の獲得、見込み客の育成、アポイントメント、商談、クロージングなどすべての営業活動を任されていることが多く見受けられています。

本書は、オラクル、セールスフォースの営業として、2000年代前半にアメリカで行われていた分業による営業プロセスの管理を学んだ後、セールスフォース日本法人でそのモデルを日本での営業活動に活かし、日本に進出したマルケトの日本法人で社長としてその手腕を発揮した福田康隆氏が書いた、営業プロセスのTHE MODELについて書かれたものです。

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THE MODELとは

THE MODELとは、もともと、著者がセールスフォース・ドットコムの米国本社で学んだ、営業プロセスの分業を日本法人での(中小企業を対象とした)営業活動に適用するために体系化した営業プロセス(管理)のことで、プロセスと評価指標を合わせて下図のようにまとめられます。

the model

単なる分業ではもう通用しない

マーケティングが獲得した新規リードをインサイドセールスが素早くフォローして、商談として進められるものを営業に引き渡す、という分業によるオペレーションという理解だけでは、もう通用しない時代になった、といいます。

購買プロセスのほとんどが営業が接触する前に終わっている

インターネットが普及する前、もしくは、インターネットが普及していてもその活用がまだまだだった時代(2000年前後)は、営業の人脈の広さや販売網がそのまま武器となりました。しかし、いまや、昔夢見たユビキタス社会。上記のオペレーションをガリガリ回せば、売上は伸びるかもしれないが、それだけ顧客にウザがられる時代なのです。

高度な情報社会となった今、顧客は自分で情報収集し、比較検討し、その結果残った選択肢に接触する

したがって、重要なのは顧客の検討ステージを把握することであり、それを察知し、顧客が望むタイミングでアプローチをする事ができれば、圧倒的優位に立てます。今はMA(マーケティング・オートメーション)ツールでそれができる時代なのです。

新規リードは必ず頭を打つ

売上を増やすには、どうしても新規リードが必要ですが、展示会やセミナーなどをガンガン実施しても、いつか必ず頭を打ちます。そのときに、考えられるのが、営業プロセス上で取りこぼした既存顧客たちです。この方々を、リードとして活用することで、新規リードの頭打ちを補います。しかも、この取りこぼした既存顧客たちは、事業活動がながければ長いほどどんどん蓄積していくもので、新たにコンタクトをとるコストがほとんど掛からないというメリットがあります。

リードのリサイクル

著者が長い営業経験、営業プロセスのマネジメント経験で直面した課題やその課題を突破したときの考え方がこのように具体的に書かれており、まさにプレイブックとして活用することができます。

分業から共業へ

著者は分業をすることによる副作用についても述べています。

上記のモデルのフロー図のように、それぞれの部門が一方通行的に分業しており、それぞれの評価指標を持っていると、部門間で対立が起き、負のループが生じてしまいます。

まず、協力せざるを得ない目標を作ること。

それぞれの評価指標だけを見て、それぞれを評価していたら必ず不具合が生じます。そのため全部門の共通目標(売上)を掲げ、協力させるのが、リーダーの仕事となります。本書では、CRO(チーフ・リベニュー・オフィサー)がその解決策足りうるかもしれないと述べています。

さらに、プロセスの観点から言うと、上記のモデルのフロー図に逆方向の流れを作る、ということが重要だと述べられています。

すなわち、CRMからマーケティング、製品開発へのフィードバック、フィールドセールスからインサイドセールスへのフィードバックなど。それぞれの部門間のコミュニケーションを活発化させる仕組みがあるといいですね。

さいごに

いかがだったでしょうか。

流石にインサイドセールスから営業の現場で経験を積んできただけあって、営業プロセスの指標の設定の仕方やボトルネックの考え方、生じる課題などについて詳しく書かれています。

工場スタッフとして働いた経験がある私からすると、工場での高度な生産管理を、営業に応用したような、それくらい精密に「営業プロセス」を数値化し、評価し、ボトルネックの解消に努め、合理化しているんだなと感じました。

ただし、著者が注意喚起しているのは、この本で方法を学んだからといって、それをそのまま自社に当てはめると必ず行き詰まる、ということです。本書で紹介しているのは、THE MODEL、すなわち一つのモデルであって、どの業界でも当てはまるものではありません。

また、理論だけでは必ず失敗する、とも述べています。つまり、実行には必ず人が介在するため、きちんと実行できるか否かで差が付きます。そのため、本書では、人材や組織、マネジメントについても触れられております。

これこそが営業に携わるビジネスマンのための教科書なのではないか、と思いました。気になった方はぜひ手にとって読んでみてください。

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