銀の匙(漫画)|何もしてこなかった30歳前後のオジサンたちに捧ぐ

銀の匙 - silver spoon その他
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人生を振り返ってみると、がむしゃらに何かを頑張ったことってないかも。

やりきった!もうこれ以上はできない!ってところまで何かに取り組んだことってなかったかも。

 

小学生の頃は、テストは満点、運動でも活躍できた。中学に入っても少しやる気を出せば、学年でTOP3に入れた。

でも、長期戦の高校受験で全力を尽くすほどの胆力はない。

第一志望に落ちて、悔しさとともに滑り止めの私立に行っても、中学の頃と同じことの繰り返し。

定期テストでいい成績取って、僕はやればできるんだって思い込んで。

高校受験の時と同じように、大学受験でもやった感に満足する日々で、結局受験で大失敗した。

 

奨学金と親の援助で大学に通っても、遅刻や欠席だらけ。テスト前は教科書と過去問さえあればなんとかなるって言って、ドヤ顔で作った過去問の解答解説と昼飯を交換したり。

なにも一生懸命にやってこなかったくせに、勝手に挫折感を味わったりしてきた人生だったなって。

 

他人は僕みたいな人間を要領がいいと言って褒める。

確かに、仕事や勉強の要領を掴むのははやいと思う。だから、定期テストなんかでは結果が出せるし、仕事でも呑み込みが早いねと先輩や上司に褒めてもらえる。

デキる自分像がどんどん勝手に膨らんでいく一方で、熱意や粘り強さ、胆力が必要な仕事になるとかわしたり、なあなあにしたりするから、結局結果が出ない。

何かを成し遂げたことのない人間は、何も成し遂げることができない。

 

 

さて今日紹介する本は、何にしても一生懸命に取り組んでこなかったおじさんの心にズバズバ突き刺さる漫画です。

銀の匙ってご存知ですか?

銀の匙というと、中勘助の有名な小説がありますね。灘高校伝説の授業でテーマとされるアレです。

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今回紹介する銀の匙という漫画は、超大人気漫画、鋼の錬金術師を描いた荒川弘先生が描いた作品です。

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鋼の錬金術師はガンガンコミックですが、銀の匙は、サンデーコミックです。

銀の匙は、私のようなオジサンのポエムを生み出してしまうような、とてもとてもパワーのある作品だと思います。

何故、私は自分語りポエムを生み出してしまったのでしょうか。

その理由を解き明かしながら、銀の匙の魅力について紹介できたらなと思います。

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銀の匙の概要

まず銀の匙とはどういう漫画なのでしょうか。

舞台は北海道、札幌に住む中学生 八軒 勇吾は、厳しい厳しいお父さんに、良い高校、大学に行って当然という教育を受けて、勉強に勤しむも、成績が伸び悩む。

そんな重圧の下で、次第に、自分にはやりたいことがない、目指すことがないというふうに考え、頑張れなくなってしまいます。

私がポエムを生み出してしまった理由

理由1:主人公が受験戦争や家庭内の圧力から逃げて農業高校に入学(入寮)

中学卒業とともに家を飛び出し、帯広にある農業高校に入学します。逃げたのです。

しかし逃げた先にいた同級生たちは、口々に、将来は実家の農家を継ぎます!将来は獣医になりたいです!将来は…、と

自然に高校卒業後のビジョンを持っているようでした。

さらに、都会からわざわざ遠くの農業高校に来たからにはなにかやりたいことがあるんだよね?

と、至極全うな疑問を投げつけられ、

「ええい、夢など知ったことか!!入ったからにはこの学校で一番になって…」

というふうに、せめて自分の得意な勉強で一番になる事によって自我を保とうと必死になります。

校長先生がとてもいいキャラで、ところどころでこの逃げてきた八軒を支えます。

校長「非農家の子がわざわざ酪農科に来るとは面白いね。どんな進路を考えてるの?」

八軒「あの…すいません。実は特に夢がなくて…ほんとすいません…」

校長「それは良い!」

校長「楽しみだね~」

銀の匙1巻 90ページより

八軒は夢がなくっていいとはどういうことだ、と訝しげに思うも、校長としては、何にも縛られず将来をこれから決定できることに対して「楽しみだ」といっているのです。

さらに、

校長「八軒君は「逃げる」ということに否定的なのだね。」

校長「逃げてきたことに負い目はあってもその逃げた先で起こった事、そこで出会った人…それらはどうでしたか?否定するものでしたか?」

八軒「いえ…」

校長「逃げ道のない経済動物と君達は違うんですから、生きるための逃げは有りです。有り有りです。」

八軒「あり…」

銀の匙4巻 160ページより

勉強の成績が伸び悩み、その競争から逃げた先では、将来やりたいことがない、ということに負い目を感じてきた八軒は、このやりとりによって救われたことでしょう。

逃げてもいいんだ。

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理由2:なんでも自分ごと化する主人公

主人公である八軒くん。なんでも自分ごと化します。ぜひともうちに欲しい人材ですね。

先輩や先生のお願いにはすぐに手を貸し、友達の悩み、友達の家庭の問題なんにでも自分ごと化してクビを突っ込んできます。

そして言われてしまうのです。

「おまえ、人にかまって損するタイプだろ」

しかしそれは、人一倍まじめで、思いやりがあるためなのだろうと思います。

断らない人間には仕事が集まってきます。会社でもそうですよね。

 

私との対比で恐縮ですが、私はなんでも他人事化するタイプです。

他人事化することによって、自分が傷つくことから身を守るためにそうしています。

なので会社や学校ではメンタルが強いと言われることがありますが、実はそうではなくて、

人一倍メンタルが弱いので、そもそもメンタルをコミュニティに持ち込んでいない、というのが正解でしょう。

 

本当にメンタルが強いのは、この八軒みたいに何でも自分ごと化し、会社での仕事、友達関係、学校での活動すべてに真正面から取り組む人間だと思います。

「おまえ、人にかまって損するタイプだろ」

こういった性格のせいで、主人公の八軒は、地獄を見ることになります。

理由3:引き受けたことを途中で投げ出さず、抱え込んでぶっ倒れる主人公

人一倍まじめで、断らない男こと八軒勇吾。

高校入学して初めての文化祭で、部活(馬術部)の出し物、クラスの出し物、ピザ窯の管理などなどの準備を、

ただでさえ重労働な農業高校(しかも酪農)の日常に加えて、一生懸命取り組みます。

そして、文化祭当日、過労でぶっ倒れて病院に運ばれるのでした。

しかし、文化祭当日は八軒がいなくても無事成功。

別に八軒がいなくても完遂できた、ということではなく。

自身の仕事をきちんとノートに記録を採っていたことによって、現場の各人が八軒の仕事をスムーズに引き継ぐことができたのです。

 

ここまでデキる人はそう多くはないのではないでしょうか。

会社でデキる、と言われる人の多くは仕事を属人化している場合が多く、その人がいなくなった瞬間に現場はあたふたするのではないでしょうか?

ここにも我々おっさん社会人が学ぶべき点があります。

理由4:断らない×一生懸命やるから人が集まる

さて、ここまで見てきたように、八軒勇吾はまじめで、思いやりがあって、YESマンで、一生懸命です。

そういった人には、必ず、人が集まってきます。

なぜかというと信用できるからです。

仕事と人が集まると、大きなことを成し遂げることができます。

 

私は、世のすべて社会人が目指すべき姿がここにある、と思います。

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会社で、自分の仕事で、大きなことを成し遂げたいと思っている人は、ぜひ見習うべきです。

人は、なにかに一生懸命に取り組む人の姿に心を打たれるモンです。

理由5:挫折や失敗を乗り越えて自分のやりたいことに一生懸命になる

八軒勇吾は勉強で挫折して農業高校に逃げてきました。

農業高校では、勉強で一番になるという自尊心を満たしつつ、

たくさんのことに首を突っ込み、たくさんのことにチャレンジしては、失敗したりしてきました。

こんなに物事に一生懸命に取り組めるのに、将来自分が何になりたいのかわかりませんでした。

むしろ、勉強で一番になる、ということを満たすことができたからこそ、それ以外のことに集中して一生件目に取り組めたのかもしれません。

 

そんな八軒勇吾にも、やりたいことが出てきます。

農業高校では、単なる知識だけでなく、表現が難しいですが、ある種の感情・気づきを得ることができたようです。

それは悲しいかな、机に向かって勉強しているだけじゃ得ることのできない、本当に大切な気付きだったんだと思います。

努力しているのに、報われないのはつらい。

努力が結果にならなくても、努力を見てくれている人はいる。

出来損ないにだって、やれることはある。

 

やりたいことができたら、八軒はもう大丈夫でしょう。

どんな社畜にも負けない向上心と精神力と体力を持ち合わせていますから。

さいごに

いかがだったでしょうか。

『銀の匙』は、受験戦争から逃げて農業高校に入学した八軒勇吾の物語でした。

この漫画は、サンデーのアンケートで多くの中高生が「将来のことを気にしている」ということがわかったことをきっかけに連載が始まったそうです。

 

将来やりたいことなんてそのうちみつかるさ

将来やりたいことがないことは全然悪くない。むしろ可能性は無限大だ。

逃げてもいい。逃げたことをプラスに変えてやれ。

いろんなモノの見方がある。

etc…

この物語を通して、作者はこんなことを伝えたかったんじゃないかなと思います。

 

これまで書いたように、サラリーマンをはじめとする社会人にも学ぶべきことがたくさん詰め込まれていると、

私は感じました。頑張るってこういうことなんだよって。

作者の意図を無視して、私は勝手にこの漫画を、

何もしてこなかった30歳前後のオジサンたちに捧げる

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